PRP育毛療法

男性型脱毛症(AGA)、女性型脱毛症(FAGA)
自分の細胞の力で、ハリとコシを蘇らせる
PRP育毛治療

  • 監修医師:杉野 宏子 すぎの ひろこ
  • 医療法人社団青真会 青山エルクリニック 院長

PRP(多血小板血漿)育毛療法とは

PRPとはPlatelet Rich Plasma(多血小板血漿)の略で、患者様ご自身の血液にある血小板という細胞成分を濃縮した血漿をいいます。

血小板の中にはさまざまな種類の成長因子(サイトカイン)が含まれており、それらは細胞の増殖や組織を活性化する作用があります。

やや難しくなりますが、血小板に含まれる代表的なサイトカインには次のような種類と働きがあります。

PDGF(血小板由来増殖因子)
毛乳頭細胞増殖、幹細胞の分化、血管新生、マクロファージや線維芽細胞の誘導

TGF-β(トランスフォーミング増殖因子)
結合組織形成の誘導、毛包原基の発達、成長期への誘導、血管新生

IGF-1(インスリン様成長因子)
創傷治癒、退行期への移行防止

EGF(表皮増殖因子)
細胞分化誘導

FGF(線維芽細胞増殖因子)
毛包幹細胞分化を誘導、成長期の延長

VEGF(血管内皮増殖因子)
毛包周囲の血管新生

安全性の高さと自己血を用いる安心感

PRPは成長因子によって自己治癒機転がはたらくため、美容医療領域ではしわ治療や脱毛症治療に、整形外科領域では変形性関節症の疼痛やスポーツ外傷の治療などに広く使われ、多数の有効性も報告されています。

PRP治療の最大のメリットは、自己血を用いるという点にあります。

患者様ご自身の血液を採取し、それを分離して再び注入するだけですので、感染症などのリスクや副作用が少ないことからも安心して治療を受けることができます。

脱毛症治療の新たな選択肢として

脱毛症は、男女問わず多くの方を悩ませています。

しかし近年、男性型脱毛症にはジヒドロテストステロン(DHT)が関与することが解明され、内服薬により大幅な改善がみられる症例が報告されています。

とはいえ、薬の副作用を恐れ、内服を拒否・中止してしまう患者様や、毎日継続するのが難しいと訴える患者様も少なくありません。

また、女性の脱毛症は様々な原因があると考えられており、DHTが関与するものだけでなく、女性ホルモンの低下が脱毛症を引き起こすとも言われています。そのため、男性に比べて、内服薬等の効果的な治療の選択肢が少ないという実情があります。

こうした背景からPRP治療は脱毛症治療に有効な一つの選択肢となるといえます。

血小板由来成長因子は毛包の分化、増殖、成長に大きく影響し、抗アポトーシス効果で毛を成長させ、毛周期における毛乳頭細胞の生存期間を延長し、血行を改善することが知られています。

そのため、脱毛症に対するPRP治療は、既存の治療とは異なる作用機序を持った治療です。

また、自己血を用いるため、他の治療法との併用ができるというのも評価のポイントの一つです。