アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎について
アレルギーは皮膚、鼻、食べ物や動物、薬に対して体の拒否反応が出るものです。体の拒否反応とは、痒み、腹痛、呼吸の苦しさなどです。また、アレルギーは体質であることから、一つのアレルギーだけ抱える人もいれば、複数のアレルギーを抱える人もいます。ここでは、アレルギー症状の中の一つであるアトピー性皮膚炎を解説します。
監修医師 続木 康伸 (つづき やすのぶ)
アルバアレルギークリニック 院長
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、「増悪・寛解を繰り返す、痒みのある湿疹を主病変とする疾患」であり、患者の多くはアトピー素因を持つと定義されます。
つまり、痒みのあるブツブツや紅みが、良くなったり悪くなったりを繰り返すという意味です。また、多くの方は家族にもアトピー性皮膚炎を含めたアレルギー疾患をもち、採血ではIgE(アレルギー体質の目安)が高くなりやすい傾向にあります。
アトピー性皮膚炎の治療
リアクティブ療法
悪い時だけ薬を使い、良くなったらすぐに中止する方法です。
この治療法が行われていた時代もありますが、症状が良くなったことを患者の自己判断にゆだね、症状が治まりきらない内に薬を中止するために、再燃して薬を使うことを繰り返すことになります。
プロアクティブ療法
アトピー性皮膚炎の痒みや紅みの症状がない状態を維持しながら、段階を追って薬を減らしていく、必要最小限で使用していく、現在の主流の方法です。
症状がない、もしくはほとんどない状態を維持し、保湿剤だけになることを目標に、薬はつなぎで使用するイメージだとわかりやすいでしょう。
アレルギーマーチ
次々と起こるアレルギー
体質によって、1つのアレルギーが次々に他のアレルギーを引き起こすことがあります。
これを、「アレルギー・マーチ」と呼びます。
例えば、アトピー性皮膚炎を抱えている人が、次にアレルギー性鼻炎、花粉症と気管支喘息を次々に引き起こす状態を指します。
アレルギーマーチは小児期に起きることが多いですが、成人でも食物アレルギーの発症を契機として、次々に新しいアレルギーを起こすことは日常的に経験します。
多くは、アトピー性皮膚炎から始まる
アレルギーマーチを起こす最初のアレルギー疾患は、アトピー性皮膚炎がほとんどです。
乾燥肌のまま、アトピー性皮膚炎の症状が残ったままだと、皮膚のバリアは壊れたままになります。
つまり、アトピー性皮膚炎を治療していない、または症状が残ったままにしておくと、体がアレルギー体質にどんどん傾いていきます。
この状態は「生後数ヶ月」から始まっていることがわかっています。
アトピー性皮膚炎にさせないこと、もしくはプロアクティブ療法でアトピー性皮膚炎の症状を無い状態に保つことが重要です。
アトピー性皮膚炎治療は何科に行けばいいのか?
アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚科、小児科、アレルギー科が担当しています。
中でもアレルギー科は、アトピー性皮膚炎を含めたアレルギー全般を専門的に診察、治療しています。
アレルギー治療全般においては、体の中から、しいては心とからだの調和を図っていくことが重要とされています。
したがって、その観点からしっかりと向き合ってらえるかということも重要な判断ポイントとなるでしょう。