脱毛症とは

脱毛症

脱毛症とは

脱毛症(だつもうしょう)、とは、本来生えるはずの毛髪やその他箇所の毛が生えなくなった状態、あるいは抜けてしまった状態のことです。

遺伝によるもの、ホルモンバランスの乱れや自己免疫疾患によるもの等いくつかの要因があります。

脱毛症は、他人から見ても目立つ場合が多く、悩みやコンプレックスとなることが多い症状です。

監修医師杉野 宏子(すぎの ひろこ)
医療法人社団青真会 青山エルクリニック 院長

症状

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(Androgenetic alopecia, AGA)は,遺伝や男性ホルモンによって起こる症状で,頭頂部や前頭部の毛髪が細くなります。

男性の大半は、男性ホルモンの影響によって加齢と共に前頭部や頭頂部の毛量が減少していきます。

これは男性ホルモンの影響を受けて、毛髪の成長期が短縮され、髪の毛が太く長くなる前に抜けてしまうためです。

一度症状が始まると徐々に進行していきます。

女性型脱毛症 FPHLFemale pattern hair loss

女性の薄毛症状の一つである女性型脱毛は、女性の男性型脱毛症で、かつてのFAGAを指します。

症状としては前頭部生え際や頭頂部の軟毛化かがみられます。

おでこが広がる、頭頂部の地肌が目立つようになると訴える方が多いです。

また下記の2つの脱毛症も原因となり、びまん性脱毛状態で頭部全体の頭髪の数が減少し、毛髪自体も細くなる方もいます。

休止期脱毛症

女性の薄毛症状としては、休止期脱毛症も挙げられます。

体調の変化や病気などの後、毛周期の休止期が長くなったため、びまん性脱毛状態になります。

中年女性で、慢性的に続き、軟毛化がないものは、慢性休止期脱毛症と呼ばれています。

老人性脱毛症

人間は60歳を超えると、加齢とともに性別問わず髪の毛を含む体毛が薄くなっていきます。

これを老人性脱毛症といい、男性型脱毛症と異なり頭部全体(さらには全身)にわたって毛の減少があります。

進行には個人差があり、男性型脱毛症を併発することが多いです。

原因

男性型脱毛症(AGA)

一言で男性ホルモンによる脱毛症のことです。AGAの原因は酵素(5α-リダクターゼ)の働きによって、男性ホルモンである「テストステロン」から生成された、より強力な男性ホルモンDHT(ジヒドロ・テストステロン)という物質と考えられています。

このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(レセプター)と結合すると、脱毛因子(TGF-β)が生成され、毛母細胞の分裂や増殖が抑えられ、正常なサイクルを狂わせてしまいます。

5α-リダクターゼには、タイプIとタイプIIの二種類が存在することがわかっていますが、それぞれI型DHTとII型DHTを生成します。

前頭部と頭頂部にはタイプIIの5α-リダクターゼが存在しています。一方、AGAが出現しにくい後頭部と側頭部にはタイプⅠが多く存在しています。

したがって、AGAはタイプIIの5α-リダクターゼの影響を大きく受けることがわかります。

通常、髪の毛のサイクルは2年~6年とされていますが、DHTタイプIIが存在する前頭部と頭頂部は、髪の毛の毛乳頭細胞にあるレセプターに結合すると、TGF-β1が生成され、一気に毛髪サイクルが短くなり、数ヶ月~1年で成長が止まってしまうというわけです。

女性型脱毛症 FPHLFemale pattern hair loss

以前は女性の男性型脱毛症FAGAと言われていた脱毛のことで、男性ホルモンの影響で起こる女性の脱毛症をさします。

実は女性も卵巣や副腎で男性ホルモンが作られており、その影響により男性型脱毛症を生じます。

休止期脱毛症

精神的および物理的(身体的)な要因、極度の疲労、ストレス、心身の状態などが影響すると考えられています。

慢性休止期脱毛症については、まだはっきりとした原因は分かっていません。

老人性脱毛症

主な原因は年齢によって毛乳頭細胞の活性度合いが低くなることが挙げられます。

年齢に伴い頭皮に存在するコラーゲンの一種が減少し、毛髪を作り出す細胞が死滅するため

結果として抜け毛が増え、薄毛が進行すると考えられます。

 

脱毛症・薄毛治療は何科に行けばいいのか?

フケやかゆみもしくは腫れ等の症状では、一般的な皮膚科ですが、脱毛症・薄毛治療では、それらの専門的な知識を持った医師に診察してもらう必要があります。

男性型脱毛症、女性型脱毛症についてお悩みの方は、専門の美容皮膚科をお勧めします。

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