プロアクティブ療法について

アレルギー性疾患一つであるアトピー性皮膚炎は、毎日軟膏を塗り、段階的に減らしていくのが主流で、きちんと治療していれば症状が無いもしくはほとんど無い日常を目指せます。

プロアクティブ療法とは

プロアクティブ療法とは、軟膏を痒みや湿疹が出る前に塗っておく治療法です。毎日軟膏を塗り、段階的に減らしていくのが主流です。アトピー性皮膚炎はきちんと治療していけば、「症状が無い」もしくは「ほとんど無い」状態を目指せます。
プロアクティブ療法は、それぞれの症状にあった効果的な薬と使い方をすることで、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指します。

プロアクティブ療法の進め方

最初は毎日軟膏を塗布しますが、徐々に塗布する日を少なくして保湿剤に置き換えていきます。
最終的な目標は、薬を減量することではなく、症状がでない最低の塗布日数で、症状がない状態を保つことです。

ダイエットと同じく、本来の肌に戻ってから、それを維持することが大切です。

本当は人それぞれ、さまざまな症状にあった効果的な薬と使い方があり、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すことが現在の世界標準です。

良くなっていない方は、すぐに症状を無くし、薬を使わなくても良くすることが必要です。

これまでの経緯をしっかりヒアリングした上で、肌を見て触って診察を行い、症状に対して薬を選び、アレルギーを全く別の方向から見直すことで、じっくり治療方針を立てていきます。

正しいプロアクティブ治療

プロアクティブ治療は、単にステロイドを減らしていくことではありません。
まずは、1週間以内を目標に、症状をゼロにします。症状がゼロになってからが治療の始まりです。

そして、具体的に下の図のように、症状がない状態を保ちながら、毎日塗っていたステロイドを「保湿剤だけの日を週1回」、「保湿剤だけの日を週2回」と徐々にステロイドを塗る日数を減らしていきます。

その後、6ヶ月から1年を目安に、週1回だけ塗布していれば症状がでない、週2回塗布していれば症状がでないといった状態にまでもっていきます。

医師から「良くなったら、この薬に変えてください」と言われることがしばしばありますが、「良くなったら」の状態がわからず困っている方の相談が多いのが実情です。

アトピー性皮膚炎や蕁麻疹の治療において、アレルギー医の定義で「良くなった」とは、「今までよりも良くなった」ではなく、「症状がゼロ」のことを指します。

ステロイドを減らしていく期間については、その方が持っているアレルギー、使用している薬の強さ、落ち着いた期間などで大きく変わります。

「症状がゼロの状態を保ちながら」がポイントになります。

正しいプロアクティブ療法とは、
ただ軟膏をぬる日数を減らすのではなく、「症状がゼロを保ちながら」薬を減らしていく治療法です。

診断から治療まで

通常は1時間で、現在の状態から治療方針決定と説明までに十分な診察をおこないます。1番大切な検査結果に基づいた状態の説明、治療方針、アレルギー症状への対処方法の説明が含まれます。

半年から1年後には薬を使わない、もしくは最低限だけ使用で十分な体質を目指します。受診は2〜3ヶ月に1回、初診から半年ほどかけて、使用する薬を1/3から薬のいらない状態を目指して治療を行っていきます。